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【コリン性蕁麻疹で入院が必要となった理由がわかる!】特発性後天性全身性無汗症(AIGA)での入院経緯

入院時の病院

20年以上苦しんできたコリン性蕁麻疹ですが、当時はネット上にも何の情報もなかったのが、昨今は研究も大分進んできたようで、コリン性蕁麻疹にも色々な病型分類があり、その中でも自分の病型は”特発性後天性全身性無汗症(通称AIGA)併発型”のコリン性蕁麻疹であることに気づきました。

このAIGAは、患者数も100~200名程度と非常に稀な病気ですが、国内において幾つかの大学病院で研究が進められており、AIGAの治療により、コリン性蕁麻疹も寛解した症例もあると聞きつけ、都内大学病院への紹介状を得て診察を受けてきましたので、その話しを書きたいと思います。

大学病院での診察の結果、精密な検査及び治療の為に後日入院することも決まりましたので、その流れなどを記載することで同じ病気で苦しむ方々の参考になればと思います。

 

 ”AIGA併発型”のコリン性蕁麻疹の病型について

コリン性蕁麻疹の症状等について前回の記事で記載しましたが、コリン性蕁麻疹の発生原因はまだ解明されておらず、一方で病型を分類分けすると幾つかの病型に分けられることがわかりました。

ここではあまり医学的な内容に触れるのは避けますが、神戸大学大学院の福永氏のセミナー資料等によれば、昨今の研究ではコリン性蕁麻疹の病型は大まかには三つで、一つは、自分の汗に反応する汗アレルギーのタイプ、もう一つは自分の血液の成分に反応するタイプ、そして三つ目は、汗が突然全く出なくなったり、出にくくなったりなる特発性後天性全身性無汗症(AIGA)を併発するタイプ、に分類がなされているようでした。

このうち三つ目のAIGA併発型の病型が筆者の症状とぴったり重なり、まさに筆者のコリン性蕁麻疹の病型であると認識をしました。

特発性後天性全身性無汗症(AIGA)とは、一言でいえばあるとき突然汗がでなくなってしまう病気で、汗をかけない為に熱が身体の中に籠り、熱中症を引き起こしやすくなったり、コリン性蕁麻疹を引き起こしたりする病気です。一部分だけでなく全身からの発汗がなくなるものですが、額や腋の下、掌や足の裏の精神発汗は保たれるケースが多く、自己免疫疾患でアセチルコリンの受容体が発現しない異常により汗をかけなくなっているのではと推察されています。

筆者のケースでも、いつからか運動中やお風呂でさえ、腕やふとももから汗をかけなくなっており、風呂上がりの直後でも肌が乾燥しているという状況で、無汗になっていることを自覚しました。学生時代は、運動時腕の表面からびっしりと汗が出ていたのを覚えていますので、どこかの時点で急に汗をかけなくなり、時期を同じくしてチクチクピリピリが始まったのだと思います。

コリン性蕁麻疹はアレルギー反応で、その反応を起こらないようにする、もしくは、抑えるにはどうしたら良いか、と考えていましたが、AIGA併発型のコリン性蕁麻疹は引き金になっている病気(AIGA)があり、その影響を受けて蕁麻疹が発症しているようで、AIGAが改善すればコリン性蕁麻疹も発生しなくなることが見込まれ、(他に治療法も確立されていないことから)藁をもすがる気持ちでAIGAの治療を行ってみる決意をしました。

 

AIGAの治療を受けるにあたって(入院検査が必要な理由)

上記の認識を得て、AIGAの治療を受けたいと考えましたが、治療を受けるためには、まず「AIGAである」という診断を受けなければなりません。この診断をうけるためには大学病院にて精密検査を行うことが必要と聞き、都内で検査/治療を受けることができる大学病院を探すことしました。

検査を大学病院のような大きな病院に入院して行うことが必要な理由は、意図的に汗をかく状態を作り、身体の汗をかけてない部位を特定したり、採取した汗を再度肌に注射しアレルギー反応を見たりと、特殊な検査がいくつかあり、アナフィラキシーショック等万が一の事態に備え大学病院のような施設のあるところで入院しての検査が必要とのことでした。

筆者の場合は、「発汗異常を伴う稀少難治療性疾患の治療指針作成、疫学調査の研究班」の名簿や、メディカルノートのインタビュー記事その他インタビュー記事等を参考に、都内でアクセスもよくAIGA患者の取り扱いの多そうな東京医科歯科大学を選び、当大学病院への紹介状の取得を試みました。(※筆者の場合は都内だったので、東京医科歯科大学に行きましたが、東京都でない方等は上記の「発汗異常を伴う稀少難治療性疾患の治療指針作成、疫学調査の研究班」の名簿を参考に、お近くの大学病院・クリニックで診察を受けることをお勧めします。)

当初、当大学病院と医療連携しているクリニックに行けばすぐに紹介状を出して貰えるものと思っていましたが、紹介状を依頼したところ「とりあえず最近出た第2世代の抗ヒスタミン剤を全て試してから云々」と、早く大学病院でAIGAの治療を受けたいこちらの真意を理解しない先生だった為、当大学病院の皮膚科の卒業生が開業医をしている別クリニックを訪問し、紹介状を強く希望しようやく紹介状を入手できました。

 

大学病院での診察。結果、入院することになりました。

大学病院への紹介状を得て、大学病院で初診(問診、尿検査、血液検査)を受けた結果、「AIGA・コリン性蕁麻疹疑い」ということで、精密な検査及び治療のための1週間程度の入院を提案されました。

AIGAは難病指定もされており、AIGAとして診断するためには複数の検査を受け、AIGAの診断に必要な条件に適合しているか確認する必要があるとのことでした。3日間の検査の後、AIGAと診断されればそのまま3日間のステロイド・パルス療法による治療も行うということで、その場で入院を決めました。
一番早い日程でとお願いしましたが、年末もはさむので入院日は1月下旬となりました。

 

まとめ

AIGA併発型という病型の可能性に気づき、大学病院を探し診察を受けて入院が決まるまでの経緯を記載しましたが、期間を見てみると、大学病院で最初の診察まで2か月、またその後の入院までも1か月半を費やし、10月頃から始まっていたチクチクピリピリの痛みは日増しに増大しこの三か月は仕事も捗らずQOLも最悪でした。

このようにこの病気は治療を受けたいと思っても、(都内では?)治療開始まで3か月か4か月も掛かるのが現状です。大学病院には紹介状が必要という医療制度の弊害や、高齢化社会による大学病院の混雑の問題ですが、紹介状の取得などと悠長なことをせず大学病院に直談判してさっさと初診を受ければよかったなと思います。(病院に掛け合えばできたのではと今は思ってます)

AIGAの治療は発症から時間が経てばたつほど改善しなくなる傾向があるようなので、この記事でAIGA併発型のコリン性蕁麻疹の病型を知り、これから治療を受ける方は、最短で受診できるように動くことをお勧めします。

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